というわけで今回は「暗黒的きねま生活」と銘を打っておきながら、今回はテレビドラマのお話です。
やはり黒川芽以という女優を語るときにこの作品は欠かせません。
そのドラマのタイトルは『ケータイ刑事銭形泪』。
ケータイ刑事と言えばBS-iの看板番組。
その三作目として製作され、シリーズの方向性を確立させた作品でもあります。
それまで宮崎あおい主演の一作目『ケータイ刑事銭形愛』、堀北真希主演の二作目『ケータイ刑事銭形舞』と現役女子高生にして刑事という突飛な設定ながらバディ物の刑事ドラマというジャンルからさほど外れてはいなかったのですが、この作品からは実験的要素を多分に取り込み、全3クール39話、現段階でシリーズ最長の人気作となりました。さてこのドラマの主人公、黒川演じる泪、一風変わった変わった名前ですが、これにはいきさつがあります。
実は企画前の段階ではプロデューサーの丹羽多聞アンドリウは銭形レイという名前を考えていましたが、娘さんに「レイって名前、どう?」と尋ねたら「セーラームーンのレイちゃんと同じ名前じゃ嫌」と言われ断念したとか。
(結局、後番組の『ケータイ刑事銭形零』で復活しましたが)
さてレイという名前がダメならばどうするか?
黒川芽以と言えば先週紹介した『問題のない私たち』でも触れたが、その演技力…特に泣きの演技で高い評価を受けており、そこで彼女の泣きの演技をシナリオに生かさない手はないということで泪になったという。
ちなみに涙ではなく敢えて中国語の泪という字を用いたのは、この作品からチーフ脚本家になった渡邉睦月のアイデアだそうです。
そしてその結果、毎回毎回必ず泪の嘘泣きシーンが入れられるようになったとか。
さてこの『ケータイ刑事銭形泪』、黒川芽以の代表作にして、彼女にとって転機にもなった作品でした。
今まで紹介してきた『クラヤミノレクイエム』『仮面ライダー555劇場版 パラダイスロスト』『問題のない私たち』や紹介できなかったドラマなども含めて割とシリアスな役、ドラマが中心でした。
実際『ケータイ刑事マニアルBOOK』という本のインタビューでも彼女自身「正直なところ、自分って、明るいコの役には向いていないのかな?」なんて思っていたことを告白してます。
そうした中で常に明るく前向きで、ちょっとコミカルですらある銭形泪という役は彼女の役の幅を広げたと言っても過言ではありません。
ところで地上波放送でもない深夜枠のドラマがなぜにここまでの人気を得て、劇場版まで製作されたのか?
その魅力はいったい何なのか?
ケータイ刑事シリーズと言えば、現役女子高生(あるいは中学生)の刑事と、親子ほどの年齢差のあるちょっと変わったオジサン刑事の珍妙なやり取りが印象的ですが、実はある人気ドラマと非常に似ているのです。
それは『TRICK』。
実は『ケータイ刑事銭形泪』からメイン脚本家は渡邉睦月になっていますが、もともとのシリーズのメイン脚本家は林誠人。
彼は『TRICK』、『TRICK トロワジェムパルティ(要するにTRICK3)』、『TRICK新作スペシャル』などの脚本を執筆した人。
ナンセンスな面白さの秘密はまさにそこにあると言ってもいいでしょう。
そして低予算ながらも「ファンの人達だけ観てくれればいいや」的なアイドルドラマとは違って細部に至るまでスタッフの拘りが見え隠れしているのもまた魅力ではないでしょうか。
実際ね、ツッコミどころは満載なんですよ。
ただそれが飽くまで狙った演出であり、「おひおひ、それはちゃうやろ」としっかりツッコミを入れてあげるのが、このドラマの正しい見方であり、それが出来ない人は見ちゃいけない。
というわけで、来週はこのドラマについてもう少し詳しく掘り下げていきましょう。
って続くのかよ!
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